この記事は36歳の私が、12歳の私に向けて書いた手紙です。
今回、私は自分を知るために、昔の自分に向けて手紙を書いてみることにしました。
12歳の頃の自分に対して手紙を書こうとしたところ、
- 親に対しても自分を出せなかったこと
- 親に褒めてもらえなかったこと
- 周囲に「よい子」と言われることが、なぜか涙が出るくらい辛かったこと
- 学校でうまく笑えず、辛かったこと
など、いろんなできごとが次々に思い出されました。
本来、このような手紙は公開するようなものではありません。
しかし、
- もしかしたら今、同じような悩みを抱えている子もいるのではないか?
- そんな子に少しでも私の言葉が生きていく力になるのではないか?
そう考え、本記事で手紙を公開してみることにしました。
この記事を読んで、過去の私と同じように、自分の気持ちをうまく表現できずに悩んでいる方の気持ちが少しでもラクになればとても嬉しく思います。
以下、手紙の内容です。
12歳の私へ
12歳のあなたは、自分の家が普通ではないことに薄々感づいていると思います。
- 母が亭主関白な父に気を使っていること
- 父が母にイライラしていること
- そんな母と父が対等な立場で想い合っているとは思えないこと
- 父の祖母に対するわだかまりが解けていないこと
- 姉が学校に行っていないこと
そんな状態の家なので、他の家では当たり前にある
「お互い言いたいことを言い合える環境」
「両親に肯定してもらえる環境」
があなたにはありません。
あなたはそんなギスギスした家庭で、
自分がいかに家族を和ますことができるのか、小学生ながら考えて、家族を笑わせようと道化になってみたりしていますよね。
でも、あなたはまだ小さく、そんな家庭の事情をなんとかできるほどの力はありません。
いや、大人になった私もそんな家庭をどうにもできないと思います。
自分の気持ちを押し殺していることにすら気がつかない
あなたは自分の気持ちを押し殺して、ストレスのある日々を過ごしています。
でもそんな自分の気持ちには気づけていません。
あなたがテストでいい点をとっても、学級委員長になっても、
家庭ではあなたは褒められない子供でした。
母はあなたを褒めると姉を刺激してしまうから、あなたを褒めることはありませんでした。
でも、本当は母に褒めてもらいたいよね。認めてもらいたいよね。
ただ、認めてほしいだけ
そんなあなたの満たされない気持ちは、「学校で変に目立つ」という歪んだ行動として現れることになります。
誰かに認めて欲しくて、注目して欲しくて、褒めて欲しくて。
わざと授業で面白く間違えてみたり、授業を寝たふりをして周囲を笑わせようとしてみたり、女の子なのに靴下を振り回して踊ってみたり。
でも、そんなことをしても誰もあなたの本当の気持ちには気が付いてくれません。
唯一、違和感に気づいてくれたのは小6の時の学校の先生でした。
でも、しょせんは学校の先生です。
問題が顕在化していないあなたのことに割く時間はありません。
よい子と言われるのが辛かった理由
そう、残念ながらあなたは一見、とても「よい子」なのです。
だって、勉強もできるし、友達も一応いて、学級委員だってやってるんですから。
でも、よい子と呼ばれるのは嬉しくもあり、辛くもある言葉でしたね。
よい子と言われるたび、なぜか泣きたくなったこともたくさんありましたね。
本当は、よい子なんかじゃない。
注目されたがり、褒められたがりで、それを必死に隠そうとしているけど、隠しきれなくて恥ずかしい。
そんな自分を良い子と肯定しないでほしい。
自分はよい子なんかじゃない。
よい子なんてレッテルを貼らないで!
よい子だから大丈夫、なんて思わないで!
こんなに救いを求めているのに。
本当の自分に気がついてもらいたいのに。
…あなたは今、本当に、辛い思いをしていると思います。
でもね、あなたは本当によい子なんだと思います。
人の気持ちを大切にするあまり、自分を犠牲にすることを厭わない。
そんな本当によい子なのです。
あなたがもしも、家族なんて知らない、
空気を読まないでワガママを言って、家族の悪口を言いまくる。
そんな子供だったらあなたはこんなに苦しまなかったのかもしれないですね。
プライドは邪魔なだけ
そしてあなたは残念ながら、プライドの高い子でもありますよね。
- そんな弱い自分を認めたくない。
- 自分は友達よりも、いや親や先生といった大人よりも優れている。
そんな風に思ってますよね?
だから、あなたがこんなに辛い想いをしているのに、周囲に助けを求めるという選択肢はあなたにはありません。
プライドの高さがあなたをどんどん追いつめてしまっているのです。
12歳のあなたに伝えたい5つのアドバイス
そんな辛い状況のあなたに、36歳の私から4つ、アドバイスをさせてもらいたいと思います。
- 家族に対して気を使わない
- 日記に本当の気持ちを書く
- スクールカウンセラーに相談する
- 本音で付き合える友達を大切にする
余計なお世話?
そう思うかもしれないね。
でも、今は受け入れられないかもしれないけど、将来の自分からの忠告だと思って少しずつでもいいから読んでもらえると嬉しいです。
家族に対して気を使わない
まず言いたいのは、家族に対して気を使う必要はないということです。
父に付き合ってプールなんて行かなくていい。
めんどくさいならめんどくさいって言っていい。
隣の部屋の声がうるさいならうるさいって言っていい。
「うるさいから耳栓買って!」母に言っていい。
そりゃね、学校ではある程度友達に合わせておく方が楽な場合はある。
けど家族に対しては、そんな気を使う必要はないよ。
無理して家族の都合に合わせなくていいよ。
あなたの家族は気持ちにいろんな歪みを抱えていて、あなたのことをストレートに「愛している」と言うことはありません。
けれども、あなたは愛されています。
あなたがやりたいと言った習い事はやらせてくれますし、将来、大学に行くことに反対もされません。
東京に出るときには、娘のために民間の寮を見つけてくれて、入れてくれます。
今は、姉のことや仕事のことで精一杯で、あなた甘えていて、あなたに想いを馳せる余裕がないだけ。
大丈夫。あなたは愛されてる。
だから、家族に気を使わず、あなたがやりたいことをやりたいようにやればいいんだよ。
日記に本当の気持ちを書く
毎日じゃなくていいです。
嫌なことがあった時、心がモヤモヤしている時、泣きたくなった時に、日記を書いてみてください。
「どうしたらこのつらい気持ちを楽しい気持ちに変えられるんだろう?」
「本当は自分はどうしたいんだろう?」
って、振り返って考えてみてください。
あなたは、
「自分の気持ちを押し殺してまでも、他人に尽くしたい性格」
かつ、
「プライドが高くて、周囲に助けを求めることができない性格」
です。
だから、本当の自分の感情を見失いがちになりやすいです。
そんなあなたの本当の気持ちを知るヒントになるのが、感情を思いっきり書くこと。
そして、本当の自分の気持ちを知ったら、解決策を探していくこと。
感情を思いっきり書くとスッキリするよ。
誰も見ないんだから、思いっきり汚い言葉を使って書いちゃっていいんだよ。
書いてスッキリすると、意外と解決策が近くに転がっていることにも気がつくと思うよ。
もう、この人にはこういう態度を取らないようにしよう、とか、
この人にこういうこと言うのやめよう、とか、
今だけ、もうちょっとガマンしよう、とか。
日々の生活で本当の気持ちを出せない分、日記にぶつけてみて下さい。
そうすれば、少しずつあなたの気持ちが晴れますし、具体的な解決策を見つけることができれば、行動に移せるようになって、生活が楽しくなると思います。
スクールカウンセラーに相談する
さっきは日記について「誰も見ないんだから」って書いちゃったけど、やっぱりあなたはまだ子供だから、まだまだ自分で解決策が見つからないこともあると思うんだ。
だから、日記を書いたら、その気持ちごと、秘密を絶対に漏らさないスクールカウンセラーに相談してみてほしいです。
今はネットで、「地域名 スクールカウンセラー」で検索すると、無料の相談窓口が出てくると思います。
カウンセラーは秘密を守ってくれるよ。
親じゃなく、先生じゃなく、友達ではなく、なんの利害関係もない第三者の目で自分の状態を判断してもらって、自分の気持ちや悩みを聞いてもらって、解決策を一緒に考えてもらう。
カウンセラーに悩みを聞いてもらうなんて、プライドが許さないと思うかもしれないけど、アメリカでは子供から地位のあるえらい人まで、結構気軽にみんなカウンセリングを受けてたりするんだよ。
つまらないプライドは捨てるべきだよ。
つらい気持ちでずっといるよりも、誰かに話してスッキリして、解決に向けて行動した方がいいよ。
本音で付き合える友達を大切にする
最後に、あなたが本音で付き合える友達を大切にして下さい。
見た目や、クラスの人気で判断しないで下さい。
遠い未来のことを書いてしまうと、あなたは中学までの友達とは付き合いが疎遠になります。
大人になった今、会いたいな、と思える友達と連絡がつかないんです。
それって結構悲しいんですよ。
そして、少し未来のことを話すと、あなたが中学生、高校生の時にネットにハマります。
メル友を作ったり、チャットルームに入り浸ったり、そんなことをするようになります。
ネット自体は悪いことではないよ?
ネットの第三者だからこそ、打ち明けられる悩みだってあるもんね。
でも、ネットでしか本当の自分が出せないって、やっぱりちょっと悲しいと思うんだ。
だから、学校で出会う友達を大切にして下さい。
できれば、友達とはあなたの素を出して付き合って下さい。
そうすれば、将来まで続く友達ができるし、あなたの学校生活はもっと楽しくなると思います。
最後に
ここまで手紙を読んでくれてありがとう。
で、最後にあなたに強調しておきたいことは、
「あなたは親に愛されている」
ということです。
残念ながら、愛情表現の上手な親ではないし、姉のこととあなたのことを両立できるほど、器用な親ではないです。
でも、それでも、あなたがやりたいと言ったことは、全部やらせてくれるのは間違いないよ。
…まあ、今すぐに、「愛されている」なんて信じなくてもいい。
けど、「やりたいことを全部やらせてくれる」環境をしたたかに利用して、自分の人生を楽しくするって捉えれば、まあこの親も悪い親じゃないなって思えるんじゃないかな。
それに、薄々気がついていると思うけど、自分が今見えている世界って、結構狭いよ。
あなたはこれから、塾に行って、頭がいいと思っていた自分よりももっと頭がいい同級生に出会って、刺激的な環境で勉強して、高校に行って、少しずつ自分が出せるようになるよ。
大学では本音を話せる友人ができるよ。初めて深く付き合う彼氏もできるよ。
個性的な旦那さんとの間に、34歳でかわいい子供も産まれるよ。
だから、今に負けないで。
日々をしたたかに生きていってね。
36歳のあなたより