こんにちは、元インフラエンジニアのリオ(@Rio_reach)です。
システムエンジニアのキャリアパスのひとつの選択肢であるプロジェクトマネージャー(PM)。
しかし、同じプロジェクトマネージャーでも所属する会社によって仕事内容はまるで異なることを知っていますか?
実は、あなたの会社がITゼネコンのどの位置に属するかで、プロジェクトマネージャーの仕事内容は全く異なります。
もう少し細かく書くと、「一次請けのプロジェクトマネージャー」と「二次請けのプロジェクトマネージャー」の役割も仕事も全く異なるものなんですよ。
本記事では、プロジェクトマネージャーの仕事内容が所属会社によって異なる理由について述べていきたいと思います。
この「同じプロジェクトマネージャーでも所属する会社によって仕事内容はまるで異なる」ことを知っておかないと、自分がプロジェクトマネージャーになった時に、「こんなはずではなかった」と後で後悔するかもしれません。
なるべく早く知っておくためにも、3分だけこの記事にお付き合いいただければ嬉しいです。
この記事を書いている私のスペック
そもそも、この記事を書いている私は何者なんだ!?と思う方もいらっしゃるかもしれませんので、少しだけ私のスペックを書いておきます。
- 中堅SIerの元インフラエンジニアで8年勤務
- 航空会社、銀行、大手携帯キャリアといった大企業のインフラ構築プロジェクトを経験
- 勤務地は東京近辺
- ほとんどが二次請け、下流工程が中心
- 保有資格:国家資格では、応用情報技術者、セキュリティスペシャリスト、民間資格ではLPICレベル1、MCP WindowsServer2008
そもそもプロジェクトマネージャーとは?
プロジェクトマネージャーとは、ざっくりと言うと、
- 要件定義
- システム開発計画の立案
- 人の管理
- 予算の管理
- スケジュール管理
を行う仕事です。
一般的には、プログラミングやインフラ知識といった技術的なスキルはほとんど不要で、その代わりに円滑にコミュニケーションを行うスキルが求められる、と言われています。
本来はプロジェクトマネージャーはプロジェクトに1人だけ
さて、ここで1点質問です。
以下はITゼネコンで構成された一般的なプロジェクト構造図です。
では、この構造において、「プロジェクトマネージャー」はどこに属するのでしょうか?
正解は、もちろんここです。
そう、「プロジェクトマネージャー」はプロジェクト全体の責任者になるので、もちろんトップに君臨しています。
肩書きがプロジェクトマネージャーの人は、実態はほとんどプロジェクトリーダー
役割としてのプロジェクトマネージャーは実質プロジェクトに一人です。
しかし、肩書きがプロジェクトマネージャーという人間はこのプロジェクト構造図にたくさんいます。
どういうことなのかいうと、プロジェクト内に編成された多数のチームのリーダー、つまりプロジェクトリーダー(PL)として、肩書きがプロジェクトマネージャーという人間が存在しているのです。
例えば、一次請け会社は、要件定義やプロジェクトの計画を担うのが役割です。
その仕事をするため、更に数人のチームを組みます。
そして、その数人を束ねる役割がプロジェクトリーダーです。
この役割としてのプロジェクトリーダーの人の肩書きが、「プロジェクトマネージャー」なのです。
要は、本来、プロジェクトマネージャーというのは役割名であるけれども、なぜかIT業界では「部長」や「課長」といった社内で使う肩書き・階級を示すものに置き換わってしまっているので、なにやらややこしくなっているのです。
二次請け・三次請けにも肩書きプロジェクトマネージャーはいる
上記では一次請けのチームを例に解説しましたが、実際の開発を担う二次請け・三次請けでも、もちろんチームが編成されます。
例えば、インフラチームやネットワークを担うネットワークチーム、そしてアプリケーションを作るチームが、二次請け・三次請けの会社で以下のように構成されます。
この二次請け・三次請けの会社で構成されたチームのリーダーを担う人、つまり、プロジェクトリーダーの役割を担う人が、二次請けのプロジェクトマネージャーを名乗っている人です。
プロジェクトマネージャーの仕事内容が所属会社によって異なる理由
やっと本題ですが、「プロジェクトマネージャーの仕事内容が所属会社によって異なる理由は」おそらくもうわかったのではないでしょうか?
そう。肩書きが同じでも、プロジェクトに関わっている立場が全く違えば、仕事内容も当然異なりますよね。
だから、プロジェクトマネージャーの仕事内容は所属会社によって異なるのです。
お客様と交渉したり、チーム全体をみて判断をする能力。二次請けのプロジェクトマネージャーが果たす役割:
一次請け会社とチームメンバーの調整。人が足りないときは、プレイングマネージャー(開発も管理も行う)も求められることもある。
プロジェクトマネージャーを目指すなら、一次請けの会社に転職した方が良い
ここまではプロジェクトマネージャーの仕事内容は会社によって異なることを述べてきました。
では、ここで質問です。あなたは将来、どの立場のプロジェクトマネージャーになりたいですか?
もし、私が10年前に戻れるのであれば、一次請けの会社に転職してプロジェクトマネージャーを目指します。
理由は、3つあります。
- プロジェクト対する決定権が増える
- 上位の立場でみんなを幸せにできる
- 給料が上がる
順に解説していきます。
プロジェクトに対する決定権が増える
あなたは、「自分の仕事に対する決定権がないと、仕事に対するモチベーションは失われやすくなる」ということが心理学的に言われていることをご存知ですか?
その2. ローコントロール
→自分の仕事に対する決定権がない。上から言われたことを上から言われた通りにやるのがベスト。— リオ@2019年4月からフリーランス (@Rio_reach) August 26, 2019
自分に与えられている決定権が大きいのは、当然上位の立場です。
あなたがストレスなく働くためには、決定権が大きい立場を目指すべき、つまり、より高い位置のプロジェクトマネージャーを目指すのはあなたの精神ストレス上、とても理にかなっていることなのです。
上位の立場でみんなを幸せにできる
私は元々はITスペシャリスト志望でしたが、もしプロジェクトマネージャーになるのであれば、社会に大きな価値を提供できる立場になることを目指します。
上位の立場の人は、みんなを幸せにもできるし、不幸にすることができます。
しかし、今の上位の立場の人は、ほとんどが最初から一次請けの会社に入社した人ばかりなので、二次請け・三次請けがどんなことを考えてシステム開発を行なっているか、どうしたらモチベーション高く仕事ができるのか、根本的には理解していません。
私は、みんなを幸せにしたいです。
だから、自分がプロジェクトマネージャーを目指すのであれば、より上位の立場を目指して、今ITゼネコンで働いている人の気持ちがわかった上で、みんなを幸せにできる施策をします。
給料が上がる
やはり人間、お金に余裕があるに越したことはありません。
ITゼネコンの構造上、上位の立場に行けば行くほど給料はアップします。
あなたは、もし今の給料が月10万円アップしたなら、その10万円で何をしたいですか?
「ゆっくりマッサージに通いたい」
「欲しいと思っていたけど我慢していた新作の洋服やカバンを買いたい」
「いや、手堅く貯金でしょ!」
月10万円給料が上がれば、生活に余裕ができて、楽しみが一つ増えます。
私は、大切な家族においしいものを食べさせてあげたり、子供がやりたいと言ったことをやらせてあげたいです。
あなたの給料が上がるということは、家族の幸せにつながります。
「給料のために、上の立場を目指す」は一見すると身も蓋もない理由です。
しかし私は「給料を上げていく」ことは人生を楽しむための手段として、とても理にかなっていると思いますし、すべての人間がそうすべきだと思っています。
より上位のプロジェクトマネージャーになるための転職タイミングは?
では、ITゼネコンで、上位の立場を目指すにはどうしたら良いかというと…
打算的に考えると、一番なりやすいのは、
- 若いうちに上位の会社にメンバーとして転職。
- メンバーからまずは「肩書きプロジェクトマネージャー(つまり、実質のプロジェクトリーダー)」を目指す。
- そこから実質のプロジェクトマネージャーを目指す。
です。
若いうちだと実力に加えて、ポテンシャルが転職に加味されます。
しかし、30代になると、ポテンシャルよりも即戦力を求められてしまうので、実力勝負1本になってしまいます。
ですから、転職は早めにした方がいいです。
次点で、
- 二次請けの「肩書きプロジェクトマネージャー(つまり、実質のプロジェクトリーダー)」を目指す。
- 一次請けの「肩書きプロジェクトマネージャー(つまり、実質のプロジェクトリーダー)」に転職する。
- そこから実質のプロジェクトマネージャーを目指す。
かなと思います。
ただし、二次請けのプロジェクトリーダーと一次請けのプロジェクトリーダーはその立場の違いから求められる能力が変わります。
ですので、二次請けのプロジェクトマネージャーとして培った能力が一次請けでは評価されないという残念な結果になる可能性も考慮しておくべきです。
三次請けの会社でプロジェクトマネージャーを目指すなら、今すぐ転職した方がいい
三次請け以下の会社でプロジェクトマネージャーを目指しているのであれば、正直今すぐ転職した方がいいです。
というのも、三次請けの会社では、プロジェクトマネージャーの役割はおろか、実質プロジェクトリーダーの役割すらできず、メンバーとしての稼働を余儀なくされるからです。
もちろん、三次請けは三次請けの会社の楽しさがあると思います。
あくまでも「将来プロジェクトマネージャーになりたい」と思っている方向けに転職をおすすめしています。
「三次請けの会社に所属しながら」プロジェクトマネージャーを目指すという状況が、外部から見たら労力の多大な損であるという状況に早く気がついてもらいたいのです。
プロジェクトマネージャーになりたい方は、プロジェクトを俯瞰する能力を身に着ける必要があります。
その能力を鍛えるためにも、まずはなるべく早くプロジェクトを上から見る視点を身につける必要があります。
だから、なるべく早いうちに、よりITゼネコンの上位の会社への転職を目指しましょう。
当サイトでおすすめしている転職エージェント
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二次請け以下の場合はシステム発注元へ転職するのもアリ
余談ですが、二次請け以下の転職先は一次請けではなく、システムの発注元のIT部門ということが実は結構多いです。
というのも、システムのことを熟知している人材は、難しいIT専門用語にも対応でき、一次請けとの交渉をスムーズに進めることができるからですね。
ですので、もし、あなたがシステム開発の上流工程を行いたいと希望する場合は、システム発注元のIT部門に転職して、その希望を実現するのはアリです。
所属している会社によってプロジェクトマネージャーに求められる能力のまとめ
本記事では、プロジェクトマネージャーの仕事内容や、所属している会社によってその仕事内容や求められる能力が異なる理由を書いていきました。
お客様と交渉したり、より俯瞰的にチーム全体をみて判断をする役割。二次請けのプロジェクトマネージャー:
一次請け会社とチームメンバーの調整。人が足りないときは、プレイングマネージャー(開発も管理も行う)も求められることもある。三次請けのプロジェクトマネージャー:
社内の肩書きのみで、メンバーとして稼働していることの方が多い。
同じ肩書きでも、ここまで役割が違うので、どの会社に所属すれば、あなたがなりたいプロジェクトリーダーの理想像に近づけるのか、きちんと冷静に判断することが重要です。
とはいえ、どのように業界の他社のことを知って、選べば良いのか疑問が残りますよね?
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また、転職に満足している人の共通点として、「複数のエージェントに登録した」という事実があります。
とは言え、たくさんエージェントに登録すると大変ですよね。
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この記事が、あなたのキャリアを考えるきっかけになれば嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!